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S&P500 来週の見通し|好決算でも上がらない?7,500ポイント攻防へ、アルファベット・テスラが決算 2026年7月17日

 

作成日時 2026年7月17日 13時30分

監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 小野直人

来週(7月20日〜7月24日)のSP500は、物価鈍化と底堅い米景気が下値を支える一方、主要テック株への高い期待や米国の関税政策が上値追いの不安材料になります。

本稿では、アルファベットとテスラの決算後に株価が上昇できるか、7月24日の関税期限を市場がどう受け止めるかを確認します。さらに、1.5兆ドルを超えた証券マージン口座の借入残高が相場急変時に及ぼす影響と、移動平均線や相対力指数(RSI)から見た来週の値動きを解説します。

予想レンジ:7,350〜7,700ポイント

SP500 週間の予想|7,500ポイントを回復できるか

来週の見通しは、これまでの「やや強気」から、中立〜やや強気へ修正します。

6月の米消費者物価指数(CPI)は前月比0.4%低下し、米生産者物価指数(PPI)も同0.3%低下しました。6月の小売売上高も前月比0.2%増えており、物価が鈍化する一方で、米景気が急速に悪化しているわけではありません。

ただし、チャートでは7,600ポイント手前から反落し、25日移動平均線付近まで押し戻されています。そのため、来週は最高値更新を急いで見込むよりも、7,480〜7,500ポイントを回復できるかを最初の確認点とする方が現状に合います。

7,500ポイント台を取り戻せば、7,580ポイント、その上の7,600ポイントが再び視野に入ります。反対に、7,480ポイントを回復できなければ、7,400ポイント付近まで調整が続く可能性があります。

SP500 来週の注目材料|米物価・企業決算・関税政策

米CPI・PPIの鈍化と底堅い米景気

CPIとPPIの低下によって、米連邦準備制度理事会(FRB)の追加利上げへの警戒は後退しました。

しかも、小売売上高は前月比0.2%増え、新規失業保険申請件数も低い水準で推移しています。雇用や消費には濃淡があるものの、米国のマクロファンダメンタルズは大きく崩れていません。

もっとも、中東情勢や原油高を受けてインフレ懸念が再燃すれば、米長期金利の上昇が株価の重しになります。物価鈍化が継続的な追い風になるかは、なお見極めが必要です。

アルファベット・テスラ決算後も株価は上がれるか

また、アルファベットとテスラは、7月22日の米国市場終了後に4〜6月期決算を発表します。説明会は日本時間23日早朝に予定されており、来週の大きな山場です。

アルファベットでは広告・クラウド事業と人工知能(AI)関連投資、テスラでは利益率や販売見通し、エネルギー事業が注目されます。

ただ、市場の期待値は高いため、予想を上回るだけでは十分とは限りません。決算発表後も株価が上昇できるかが、SP500の地合いを判断する試金石になります。

米関税政策|通商法122条の期限と追加関税案

加えて、米政権が通商法122条に基づいて導入した、対象輸入品への10%の課徴金は、米東部時間7月24日午前0時1分に期限を迎えます。日本時間では24日13時1分です。

122条の措置を正式に置き換えると決まったわけではありませんが、米通商代表部(USTR)は、通商法301条に基づく10%または12.5%の追加関税案を提示しています。

市場では関税強化の方向性自体は想定されてはいるものの、それでも、税率や対象国、導入時期が不透明になれば、企業の輸入コストや利益率への懸念が強まり、決算相場の流れを変える可能性があります。通商政策の行方も注意が必要です。

信用取引残高1.5兆ドルが、株式市場にダメージを与える展開も

それと、信用取引の残高上昇にも注意が必要です。米金融業規制機構(FINRA)によると、顧客の証券マージン口座における借入残高は、6月末に1兆5,020億7,200万ドルへ増加しました。5月末から約6%、前年同月から約49%増えています。

市場全体でマージン借入が膨らんでいるため、決算失望や関税政策をきっかけに株価が崩れれば、レバレッジ縮小の売りが下落を増幅する可能性があるとして、市場では警戒されています。

SP500テクニカル分析|移動平均線とRSIから見る分岐点

SP500 日足/25日・75日移動平均線/14日RSI 外為どっとコム「CFDネクスト」

SP500は7,600ポイント手前で上値を抑えられ、足元では25日移動平均線の7,480ポイント付近まで押し戻されています。

これまでのように25日移動平均線を明確に上回っているとは言いにくく、短期的な上昇の勢いは弱まりました。14日RSIも70手前から50台前半へ低下しており、買いの勢いが一服しています。

一方、75日移動平均線は7,340ポイント付近まで切り上がっています。短期的には調整色が強まったものの、中期的な上昇基調まで崩れたわけではありません。

上値では、まず7,480〜7,500ポイントを回復できるかが焦点です。回復すれば7,580ポイント、さらに上では直近高値の7,624.07ポイントが抵抗になります。

反対に、7,480ポイントを回復できず、7,400ポイントも下回る場合は、75日移動平均線と予想レンジ下限が重なる7,340〜7,350ポイントまで調整が広がる可能性があります。

プロの視点と、ご自身のSP500シナリオの組み立て方

筆者のメインシナリオは、SP500が25日移動平均線を挟んで方向感を探り、7,400〜7,580ポイントで推移する展開です。

物価鈍化と底堅い米景気は下値を支える一方、足元では上昇の勢いが鈍っています。そのため、7,600ポイント台への再挑戦は基本シナリオではなく、7,500ポイント台を回復した後の上昇シナリオとして位置付けます。

決算が評価され、7,580ポイントを上抜ければ、7,624.07ポイントを試し、その先では7,700ポイントが視野に入ります。

一方、7,480ポイントを回復できず、7,400ポイントを割り込む場合は、7,350ポイント前後までの調整を考える必要があります。

これは一つの見方です。決算、関税、米長期金利に加え、まず7,480ポイントを回復できるかを確認しながら、ご自身のシナリオを組み立ててください。

【あなたのSP500見通しは?】3つの相場シナリオ

A.上昇シナリオ

25日移動平均線を回復し、7,580ポイントを突破。決算も評価され、7,624.07〜7,700ポイントを試す。

B.メインシナリオ

米景気の底堅さが下値を支える一方、上昇の勢いは戻らず、7,400〜7,580ポイントで推移する。

C.下落シナリオ

7,480ポイントを回復できず、7,400ポイントも下回り、7,340〜7,350ポイントの支持帯を試す。

今後の重要イベント

※時間は日本時間です。

  • 7月23日(木) 5:30 米国 アルファベット4〜6月期決算説明会
  • 7月23日(木) 6:30 米国 テスラ4〜6月期決算説明会
  • 7月23日(木)21:30 米国 新規失業保険申請件数
  • 7月24日(金)米国 通商法122条に基づく一律10%輸入課徴金の期限

重要イベントは日本時間に換算しています。24日に通商法122条に基づく課徴金に期限を迎え、通商法301条などを根拠とする代替関税措置の動向が注目されます。

※リアルタイムの価格はこちらから確認できます。
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外為どっとコム総合研究所
小野 直人
株式会社DZHフィナンシャルリサーチでの情報配信業務、上田ハーロー株式会社での調査・市場部門を経て、2021年より外為どっとコム総合研究所へ参画。ニュースベンダーとFX会社で培った「情報の目利き力」と「市場実務の経験」を武器に、個人投資家へ有益な情報を発信している。ドル円などの主要通貨に加え、トルコリラ・メキシコペソなどの新興国通貨、日経平均・NYダウといった株価指数(CFD)まで、幅広い金融商品の分析を得意とするマーケットアナリスト。

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